28DAYS コレクターズエディション [DVD]

28DAYS コレクターズエディション [DVD]

 『28DAYS』を評価したい点は、監督のベティ・トーマスが、サンドラ・ブロックに『偽りのヘブン』のリメイク演技をさせなかったことだろう。トーマスは『ドクター・ドリトル』や『プライベート・パーツ』で培ったコメディ・センスと、アルコール中毒とその乱用というシリアスな問題のバランスをうまくとって、作品の成功に導いた。酒好きで薬にも頼る27歳の主人公グエン・カミングス(ブロック)の、妙に陽気な型どおりのキャラクター設定に冷ややかな批評家もいる。しかし、この演じやすい役とブロックの相性は、ジュリア・ロバーツの『エリン・ブロコビッチ』と同様、才能の限界を感じさせず、役がリアルにせり上がってくる。疑いもなくスザンナ・グラント(両作の脚本家)は、1999年のもっとも注目すべき脚本家になった。彼女は登場人物の知性を傷つけずに、「ハリウッド的軽さ」をうまく表現する。<br>    ブロックが演じるグエンはアルコール中毒で、やはり大酒飲みの恋人ジャスパー(ドミニク・ウエスト)と、姉(エリザベス・パーキンス)の結婚式をめちゃくちゃにしてしまう。酒やドラッグで悩む人々と、一か月間のリハビリ・プログラムに参加するグエン。参加者を演じる俳優も印象的で、たとえばゲイのドイツ人を演じる新人のアラン・トゥディック。彼はベルリンの演劇界でのキャリアを感じさせる。すべてを見渡し、うんざりとしながらも献身的なカウンセラー役として、スティーブ・ブシェミも着実な演技。このようにトーマス監督は、ブロックのまわりに個性が際立つ面々を配し、さらに、ギリシャ悲劇のコロスのように荘厳な雰囲気を出したかったのか、シンガー・ソングライターのラウドン・ウェインライト3世も登場させた。<br>    たしかに、姉妹のいさかいが治まり、少なくともひとりのリハビリ参加者が失敗するという展開には驚きはない。しかしブロックの的確な演技を見るだけでも、本作は充分に楽しめる。トーマス監督の“処方箋”は、回想と脇筋にも含みを持たせ、シリアスなテーマと笑いの両方をもたらしてくれる。良薬を飲んだ後のような満足感だ。(Jeff Shannon, Amazon.com)